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□刷り込み
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俺が助けてやった餓鬼。
霊力があるとわかり一旦俺の隊で預かることになった。
言うことは聞くし、頭のいい餓鬼だと思う。
ただ、餓鬼の考えることはよくわからない。




【刷り込み】




朝からイライラする。
何でこんなことになった?
餓鬼預かるならもっと他に適任がいたはずだ。
忙しすぎて女さえつくるのが面倒臭いというのにいきなり餓鬼預。
何が拳西になついてるよ!だこの野郎!!
後で覚えてろよ白のやつ…
それはいいとして、俺には脅えてるようにしか見えない。
俺の三歩後ろをついてくるその餓鬼。
振り向けば驚いたように身を隠し、歩き出せばまた三歩後ろをついてくるのだ。
そんなやり取りが続いて早数時間。
俺の方もだんだんとイライラしてくるわけで。




「おい」
「…っ!」




声をかければビクリと肩を震わせキョロキョロする餓鬼。
その仕草にさえイライラして言葉遣いが荒くなる。




「そんなビクビクしてんじゃねぇ!」
「…っう"あぃ」
「いいか、前も言ったぞ。男なら…笑え」




ニィッと我ながら恐いだろう笑みを浮かべればそいつはキャッキャッと笑いだした。




「あぃっ!」
「…本当、わけわかんねぇ餓鬼だな」




そう言いながら笑う俺がいる。
まぁ、こんな関係も悪くわねぇかな?
俺が見つけた死神の卵。
いつかこいつが俺の右腕になる日は来るのだろうか。
そうなるであろう日を


(菓子くれるからって知らない奴についてくなよ。)(あぃっ!)(おし、いい返事!)




-END-




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