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□キスの意味
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「けーんーせっ!」
そう呼ばれ振り向けば幼い君が顔を出す。




【キスの意味】




「どうした、修兵。」
「あのね、あのね!白おねーちゃんがね!飴くれたの!」




そう言いながら色とりどりの飴玉を嬉しそうに見せてくる。
さっさと食っちまえばいいものを。




「青とか、桃色とか、きれーでしょ!」




食べるのもったいないね。
そう言って笑う修兵を見ると、俺の頬まで緩んでしまう。




「早く食っちまえ。飴玉くらいいつでも買ってやっから」
「ほんと!?」




目を飴玉と同じくらいキラキラさせてそれを握りしめる。
それが微笑ましくて「おう」と返事をした。




「けんせー、しゃがんで!!」




早く早くとせがまれて意味もわからないまま腰を屈める。
修兵は俺の死覇装の襟元を握るとさらに自分の方へと引っ張った。




「けんせーありがと、大好き!」




の言葉と共に合わさった唇。
……………。
口付けられた?




「修兵!!」
「あぃっ!」
「いい返事だがちょっと待て、今何した!?」
「…?白おねーちゃんがありがとうの気持ちは態度で表せって。」
「…は?」
「だから、お礼するときはちゅーするのよって。」
「………白ぉぉ!!」




その日から修兵には白禁止例が出されたが、それでもやっぱり会いにいってしまう修兵なのでした。






(だって白おねーちゃんがね、大好きなんだもん!!)(あっ、)(けんせーの次にね!)






-END-




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