君がいることで完璧にしているもの
□確かなことは、彼が私を見ていないという現実
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一面花畑のような景色。
例えるなら……そう、骸さんと凪が話してた夢の世界?みたいな感じ。
なんか見渡せば骸さんが出てきそうな――――
『っていうかここどこ…?』
[ここは狭間。]
『えっ…?!』
声が、頭に直接響くように聞こえてくる…。
[ここはお前の住む世界と私の住む世界の狭間]
『世界の、狭間…?』
[そうだ]
強く風が吹いた。長く伸びたうちの髪の毛が風になびいて視界が悪くなる。
なびく髪を押さえて目を開いたときには、男の人が立っていた。
長身で、すらっとした男の人。外国人のような顔立ちなのに、どこか日本人を思わせるところがある、その人は優しく微笑んだ。
『誰?』
「我はスピアッジャファミリーのティーグレ。」
『ティーグレ?…どうして、うちはここに居るの?』
「お前に頼みがある。」
『頼み…?』
「我がファミリーを救って欲しい。」
『救うって…どうやって!』
「ザンザスに言え。スピアッジャに行きたいとな」
そう言ってティーグレの姿は霧に包まれるように見えなくなっていく
『ちょっ、ザンザスってどういうこと?!』
「……」
『ねぇ!どういうことっ!!』
ティーグレと名乗った男の人が消えて、再び強く風が吹いた。