金色の羽根

□第四話
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「おー。丁度良かった。葛城、これをグラウンドの倉庫に入れといてくれ」



体格の良いその教師は、ベンチで本を読んでいたボクに、サッカーボールを渡した。


抱えきれなかったボールが、何個も足元にコロコロと転がっていた。



これを全部?そう思って目の前の教師を見ると、二カッと笑った。



「葛城。頼んだぞ!」


「…え?あっ、ちょっと!」



その教師は、ボクが何かを言う前に行ってしまった。



「あはは…。またいつものパターンですか…」


さっきまで読んでいた本が、パサリという音を発てて、地面に落ちた。


















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ボクが何故ベンチに居たかというと、教室だと居心地が悪くて勉強に集中出来ないので、外に出たのだ。



この学校は金持ち学校と言われているだけあって、校舎内だけでなく、外にも凄く手が込んでいた。


夏の気配がする風が、そよそよと吹き、ボサボサの黒髪を撫でる。


読む為の本を開いて、少しばかり時間を忘れて読み込んでいると、誰かが歩いてくる気配がした。




本から顔を上げると、日に焼けた体格の良い男が、こちらに向かって歩いて来た。








---しかも、サッカーボールを腕に抱え、足でも蹴って運びながら。




嫌な予感がして、立ち去ろうとも考えたが、その前に名前を呼ばれてしまったので、仕方なく少し浮かした腰を元に戻した。

























---そうして今、サッカーボールに囲まれている。
















本を持とうにも、ボールがあるから無理なので、取り敢えず地面から本を拾い、ベンチに置いておいた。



ボールをしまった後に、またここに戻ってくればいいだろう。



ボクは、ボールを抱えながらベンチから立ち上がった。そして、地面に転がっているボールを蹴りつつ、グラウンドに向かって歩き始めた。









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