対局圏(迷人戦)
□砂里町暁稲荷余話
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2010年9月頃からちまちまと続いていた小話をまとめ、やや加筆修正したものです。
※もしも厳しめの設定に縛られずに生まれ変わり話などを書くとしたら……と考えたのですが、ポンと思い浮かんだのは堅物の神主さんとお稲荷さんのお使い、というなんともはやな設定でありました。
話の出だしは、晩御飯時に神主さんが縁側に出した七輪で油揚をあぶっていましたが、つけていたテレビの天気予報に気を取られた隙に、サッと現れた影にその油揚をさらわれたことから始まります。
すぐに気がついた神主さんは野良猫か何かの仕業かと思いますが、まあ仕方がない、と新しい油揚を取りに行こうとしますが、その時縁側の下からフガフガと変な音がしました。
もしやと思った神主さんが下駄を引っ掻けそこを覗くと、アツアツの油揚に果敢に挑む仔狐の姿がありました。
……というような感じであります。