09/03の日記

19:47
目覚めると(以下略)E
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 ソイツはゆうに部屋の幅からはみ出すほどの図体を宙に浮かべていた。
 どういう仕掛けか知らないが、黒光りする金属っぽい塊が空中に静止している。

「コイツは……アレかッ! オレを嵌める為の幻術ってヤツかッ!?」

 素早く状況を察したオレは気を集中し、幻術返しを試みる。
 しかしその集中は、空飛ぶ金属が軽くかましてきた体当たりでアッサリと破られた。

「ブッハアアァッ!!!」

 すぐ背後にあったドアに叩き付けられ、オレはようやくソイツが実体であるという確証を得るに至った。

 と、するとアレだ。

「オメェまさか、空飛ぶ謎の飛行物体に見せ掛けた宙に浮かぶ正体不明の金属体とか言うんじゃねーだろうなァッ!」

 正体見破ったり、と指を突き付けたオレを白々しいほどの静寂が包み込む。

「あ、あれ?」

『あれ? じゃない。お前がさっき言った言葉そのままズバリだ』

「ハアアアァッ!?」

 突然頭の上から降ってきた相方の声に、オレは思いっきり奇声を張り上げた。
 興奮したせいか割れた頭からの出血が止まらない。

『パニクるのは分からんでもないが、とにかく落ち着け、飛段』

「!!!」
 

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