11/13の日記
00:57
背面獣(キマイラ)への手向け
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ある時の仕事は一風変わったモンだった。
高ぇ山のてっぺんまで登って、途中で拾っといた枯れ枝で火を起こし、角都が依頼人から預かった手紙をソコへとくべた。
空気が薄くってチロチロとしか燃えねぇモンだから、煙ばっかがいぶって狼煙みたいに白く上がる。
カラッカラの青い空に、ソイツが跡形も無くなっちまうまで角都のヤツは動かなかった。
用が済んで人っ子一人いねぇ山の腹を降り、とっぷり夜の暮れた頃行きに使った野営地に戻れた。
相変わらずいつも通りの無口な連れが、今度は多少ばかり勢い付いて燃える火の向こうで不意に口を開く。
ボソボソと、らしくもねぇ感じで感傷に浸ってるっぽいヤツに、オレは鼻の先でフンと笑ってからこう言い放ってやった。
そんな心配は無用だっつーの、角都よ。
オレがオメーに殺られたらよ、オレは雲の上でも地べたの下でもよ、そのどっちとも関係ねぇトコ行くんだからな。
どーしても手紙かなんか送りてぇって言うんなら、オメェ自分の背中で焚き火するコトになっちまうぜ。
ンなコトしたらオレもオメェも超あちぃってなるからな! あの世でバーカッて舌出してやるぜ。
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