捧げ物・企画物

□Valentine・Panic
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「ラビ!大変ですラビ!」

「おぅアレン、どった?そんなに慌てて…」

「どったって何ですか可愛いっ!」

「や、そこは流せよ。んで何?」

「今日はバレンタインでした!」

「そだな」

「もう23時です!」

「そだな。何、チョコ貰えんかったんか?」

「や、チョコは貰いました!」

「じゃいいじゃん。何個貰った?」

「数えてないんで判りません!」

「あぁそぅ。てか何でお前そんな必死なんさ」

「一番欲しかった人から貰えなかったんです!」

「そりゃ残念だな。言って見ろよ、誰のが欲しかったん?」

「ラビ」

「は?」

「今年は絶対ラビから貰えると思ってたのに貰えなかったんで自己申告しに来ました!」

「や、オレ用意なんかしてないし。第一バレンタインは女の子の行事だろ」

「何ですかその偏見は!今年は逆チョコが流行ってるんですよ!NLの逆はBLでしょ!」

「Σその逆じゃね――!!」

「知ってますよ、そのくらい」

「おぉぅ、お前腹立つな」

「ただ、男→女がアリなら一部例外もありでしょう」

「なんだそのとんでも理論」

「キエさんとマオサさんは交換してました」

「マジでか!!」


「訳が判りません!女の子同士は友チョコで許されるのに男同士はダメなんて!何でですか!教室で人気のサッカー部の先輩に勇気を出して文芸部男子が『先輩、これよかったら食べて下さい』って渡すことの何が悪いんですか!キモイって言ってる女子がキモいんですがどうしたらいいですか!」

「何さサッカー部って!ちょ、お前落ち着け!」

「餅なんてついてません!」

「餅つけじゃない落ち着け!つかこの状況で餅ついてどうする!そゆのはユウの専売特許だろ…」

「今神田の名前は超絶聞きたく無いんですが」

「あ―、判った判った。余りモンで良かったらやるさ」

「え、何ですか余りものって。誰かにあげたんですか」

「あげては無いけど、…自分で作って食べたんさ」

「……………」

「何々さっ、その哀れみに満ちた目はっ!」

「や、独り身なんてそんなもんだな、と思って…」

「つーか一人じゃねーし…」

「…………それは遠回しに浮気の自己申告してるんですか?」

「ちげーっつの!ちっさい頃からの習慣っつか、昔は女の子から貰ったチョコを溶かして父さんに作り直して貰ったりしてたからその名残が…」

「子供ならではの残酷さですね」


「違くないけど違う!」

「どっち」

「結構潔癖だったの!手作りのものって食べられなかったの!」

「ジェリーさんのは食べてるじゃないですか」

「あ―もう、お前は人の話聞かんな。昔って言っただろ」

「あぁなる程。でもそれはラビの言い方に問題あると思います」

「お前なぁ…。で、結局いるんか?」

「そうですね、いらないです」

「ありゃ、そ―なん?」

「だってそれ、他の女性から貰ったものを溶かして固めただけなんでしょう?
僕が欲しいのは、ラビが作ったのなんです。だから、要りません」

「そか。…じゃ、間に合うか判んねぇけど、今から作ろっか?」

「え…?いいんですかっ!?」

「うん。要るってんなら作るさ」

「ありがとうございますっ!一生大切に保管します!」

「や、腐るから!その場で食べて感想聞かして?」

「仕方無いですねぇ、判りました」

「何で貰う方のが態度デカいんさ。そんなん言ってたら作んねぇぞ」

「なっ、それだけは勘弁して下さい!僕の唯一の楽しみなんですから!」

「いや、それは誇張表現しすぎだろ…」

「誇張表現なんかじゃないんです!ラビから貰ったのは特別ですから!」


「よく言うさ、生意気ながきんちょが…。ま、しょーがないから今からオニーサンが直々に作ってやるさ」

「お願いします☆」

「ま、程々にな」



そ し て



「毎回思うんだけどさ―」

「何ですか?」

「なんでチョコって出来上がりは美味しそうなのに、行程は汚いんだろうな」

「そゆことオンラインで言わないようにして下さいよ」

.end
女の子は大変ですよね。
トリュフの行程はほんときちゃないです。
後半はまたしても後輩に手伝って貰いました。
へたれ先輩でごめんね。
 

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