小説
□「優しさという甘い麻薬」
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黒主学園地下──・・・
ドクン──・・・ドクン─・・・
「・・・っ!!」
俺の中で疼く三つの化け物
玖蘭枢、緋桜閑、そして─・・・
違う あいつは・・・
グシャ 狂瀾のように髪を掴む
「いや・・・何が違うというんだ・・・」
自らの言葉を吐き捨てる
コツ──・・・
「驚いた・・・一瞬泣いているのかと思ったよ・・・」
見なくともわかる、最強の王の声
「目障りだ 消えろ・・・玖蘭・・・」
零の弱々しく荒河う声に 枢は嘲笑う
「・・・あぁ そうだ・・・そのくらいいきがってくれないと僕が困る・・・」
「はっ・・・あんたがどう困るんだ」
二人の間に重く、暗い空気が流れる
「何故、あいつが吸血鬼だと言わなかった」
「・・・・・・」
「そうと知っていたら 俺はっ・・・」
「優姫の血など飲まなかった?」
「・・・っ!」
続きの言葉を自分の声に変える
「無理だよ・・・たとえ君が、優姫が純血の吸血鬼だと知っていても」
君は優姫を求めずにはいられない──・・・
「・・・・・・・」