まほろ駅前

□おかえり
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「多田、フェラして」

「………、は?」

いきなり何を言いだすんだ。この男は。
松の湯から帰り、事務所のソファで行天の退院祝いだと2人で酒盛りをしていると唐突に行天が言い放った。

「しようにも腹にまだ力入らなくってさ、溜まってんだよ」

服を捲り上げ傷痕を擦る行天を見て「やっぱりまだ痛むんだろ」とつい向かいのソファに座る行天に近付き腹の傷痕を覗き込む。

「だからもう痛くは無いんだって、それよりも多田が足りなくて死にそう」

腕をぐいっと引っ張られ前のめりになった多田の耳に行天の熱い息と声が流れ込み。思わず顔に熱が集まる。
唇にキスを落とされると久しぶりの行天の感触に気を持ってかれる

「なぁ、お願いだ啓介」
「……分かった」

ソファーに座る行天の足の間に膝をつき行天のズボンのチャックを下ろし下着から行天自身を取り出すと行天の手に頭をつかまれ誘導されるがままに口に含んだ。

「ん…っ…」
咥内の行天自身が徐々に固く容量をましてきて息苦しくなる。
不馴れながらに懸命に舐める多田の姿にひどく興奮を覚えた行天も熱い息を漏らす。
何だか行天が悦んでいることに嬉しくなった多田は先端にちぅと口付けた。


「―はっ、啓介かわい、す…ぎっ」
「どこがっ、んぅっ」

どこがかわいいんだこんなおっさんの。といいたかったのだがいいおわる前に頭を押さえられ喉を突かれるほど深くくわえこまされる。
思わずむせるとよしよしと子供をあやすかのように優しい手つきで頭を撫でられる。うっとりしたような行天の表情にはなんとも言えない色気が漂っていた。
静かな事務所に行天の溢れた蜜と多田の唾液が交ざった卑猥な水音と行天の荒い息遣いが響き、多田の鼓膜を刺激する。


「はっ、啓介…っ」
「むぁっ?」

名前を呼ばれ思わず口を放し見上げると頂点に達したらしい行天に白濁を顔にかけられた。

「…げほっ、てめぇこのやろう…」

達した余韻で息の荒い行天は「ごめん、ごめん」とニヤニヤとこちらを見下ろしている。
わざとだなこいつ…。

「馬鹿ハル…」
ぐちゃぐちゃになった顔を手の甲で拭う。


「…でも、まぁ無事に帰って来たことは褒めてやる…あの時もう目覚まさないんじゃないかとその…怖かった…」

ぽつりと多田の口から本音がこぼれた。

「春彦…もう無茶しないでくれ」

静かに聞いていた行天はああ、と返事をしたがいきなりガバッと上を向いた。

「行天…?」
「あー…もう無理。内臓でてもいいや、おいで啓介」

右膝をぽんぽんと叩き多田に膝の上に乗るようにうながす。ふと下に目をやると先ほど達したばかりの行天自身はすでに元気を取り戻しかけている。

「お、おまっ…!!」
「かわいすぎる多田にも責任がある。それに啓介もそのままじゃつらいでしょ」

行天が右足でズボンの中で己を主張している多田をちょいちょい、とつつく。
淡い刺激に多田は思わず声を漏らす。

「ふぁっ、…でもお前まだ腹の…………まさか動けと…」
「手伝ってあげるから」

行天は着ていたシャツを脱ぐとそれでまだ拭いきれてなかった白濁を多田の顔からと拭き取り、多田のTシャツを脱がすと二人分の服をポイっと床に投げ捨てた。
ほら早くと行天に手をとられ膝に座るようにと促される。

「無事に帰って来た俺にご褒美くれよ」
「さっきのはご褒美に入らないのか」
「まだ全然足りない」

行天の膝に乗り抱き合う形になると互いの早い鼓動が聞こえた。
ああ、帰って来てくれたんだなと改めて実感する。

「ははっ、俺もだ。」

退院祝いだ。サービスしてやるから受け取れ行天。





END

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