まほろ駅前

□繋いだ手
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寝れない

すごく暑いから


何時かは分かんないけど外はまだ暗い。夜中だ
車のライトとかの光が部屋に差し込んで天井を照らしていて、ついでに呻き声も聞こえいる



多田がさっさからうなされているんだよねぇ

のろのろとソファーから身を起こすと冷蔵庫を開け少々中の冷気を楽しんだ後ビールを一缶取出した


「うっわぁ、すごい汗だね」

仕切りのカーテンを開けてベットの端に座りビールを流し込む
ひんやりとした缶を多田の頬に押しあてると少し身じろいだが起きる気配はなかった
眉間には皺がよったままだ


「あんたって不器用だよね。そろそろ楽になってもいいんじゃないの?」

聞いているはずもない多田に向かって行天は一人話かける

「幸福は再生するんだよ」

そう言うと行天は右手で多田の頭を宥めるようにそっと撫でた
残りのビールを飲み干し自分の寝床であるソファーに戻ろうとしたら止められた

見れば眠ったままの多田が行天の右手を掴んでいる

「子供かあんたは」

子供がどんなもんかはよく分からないけどそんな気がして思わずひゃひゃっと笑ってしまう

「手ぇ放してくんないと俺戻れないんだけど」

しかし手を放す気配も無ければ起きる気配も一向に無い
だけどいつの間にか穏やかな表情に戻っていた

「おやすみ」

床に腰を下ろしベットにもたれかかった後落ちていたタオルケットを足でたぐり寄せると行天も目を閉じ眠りについた





「…なんだこの状況は」

翌日起きた多田はベットにもたれかかって寝ている行天とその行天の右手を掴んでいた自分自身に驚き、朝から頭をショートさせていた





END

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