言葉を綴る

□ミニピグとボク
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可愛いピンクのミニピッグがいた。
ミニピグは恋をしていた。

彼はいつも彼女に食べ物を与えていた。
彼はいつも彼女に癒しを与えていた。
彼はいつも彼女に愛情を与えていた。

二人の仲がむつまじくて周りはお似合いだと騒いでた。

彼は彼女が大好きだった。
彼女も彼と同じだった。
叶わぬ恋だと思ってなかった。

しかし、ある日。
彼女はいつものように食べ物を与えてもらうの待っていった。

だけど彼はこなかった。

約束をしてたのに彼はこなかった。
明くる日も明くる日も彼は来る様子はなかった。
ミニピグは悲しくなり寂しくなって夜な夜な泣いていた。
慣れないメッセージを泣きながら出し続けていた。

“私を見て”
“私だけを見て”
“悩みなら全てきく”
“支えてあげるわ”
“貴方が好きだから”
“愛してるから”

その頃彼は長い休暇中だった。
久しぶりに逢う友人と今について話してた。
彼は約束を破ったわけじゃないと心に言い聞かせていた。
ミニピグが少し肥えてきたからダイエットの一環として離れたのだ。

知らずにミニピグは大きな勘違いをしてしまった。

“裏切り者”

彼女はその言葉を吐き出し続けていく。
彼が長い休暇から帰宅した時にはミニピグの態度が変わっていた。
ミニピグは一方的な態度で接した。
彼の話を聞くはずもなく。
ミニピグは言う。

“貴方が全ていけないの”

彼は答えた。

“君が食べ過ぎだからやむを得ずだよ”

ミニピグは更に怒りが込み上げる。

“そんなの聞きたくない”

彼のことを押し退け走り出した。
彼は追わなかった。
いや、追えなかった。
きっと話をしてもきちんと理由を聞いてくれないだろうという諦めがあったからだ。
だから彼は彼女に言うのではなく電話で友達に相談をした。

それをたまたま耳にしたミニピグは更に怒りが込み上げた。

“私の愚痴は私に言いなさいよ”
“裏で愚痴は止めなさい”

彼は泣いた。

何故そんな言い方するのかと泣いた。
何故言いたいこどがわからないのかと泣いた。

ミニピグはそんなことはどうでもよかった。

一番知っている彼だからこそわかってほしかっただけだった。
そんな言い訳聞きたくなかった。

ミニピグは彼を愛してた。
愛してたからこそ知ってほしかった。
寂しい思いをしたくなかった。
彼がいない間に彼女は寂しさを紛らわしために色々と出掛けていた。
一時でも忘れれるから。
柵を飛び越え街を歩く。
いけないとわかってても一時の魅力には勝てなかった。

彼女は内緒ごとが嫌いだった。
だから、全てを彼に打ち明けた。
彼は言った。

“そんな言葉聞きたくなかった”

ミニピグは言った。

“全ては貴方が私を寂しくさせたのがいけない”
“こんなに愛してるのに”

彼はまた言った。

“貴女は僕がした行いを悪くしか見てないのかい?”
“何故暫く貴女の食事を軽減したかわかるかい?”

ミニピグは困った。
寧ろ困惑は怒りにも近かった。
その為か怒鳴るように泣いた。
彼が打ち明けた。

“貴女はもう少ししたら終わる人生でした”
“食用にされる危険性があったのです”
“僕は貴女が好き”
“でも、だからこそ”
“こんなにも酷い態度を選んだんだ”

彼は泣き泣き訴えかけたがミニピグは怒り泣いていた。

互いに結局ぶつかり合い素直に慣れぬまま距離が空いていった。
彼はミニピグにずっと一緒にいてほしいからした行為はミニピグにしたら嫌な行為でしかなかった。
だから柵を飛び越え街を歩くミニピグ。
彼はその過ちを過ぎてから気付いた。
彼は悩んで悩んで悩み続けてた。
ミニピグが街を歩いてる顔が幸せそうに見えたから。
更に二人の時も楽しそうだったから。
彼は彼女を彼なりにわかっているからこそ何も言わず下を向いたままだった。

そうして彼は決断した。

“今のままでは僕も貴女もぶつかり合う”
“それは互いに求めてない”
“だから柵を外す”
“自由に行き帰りできるようにする”
“そしていつかぶつかり合う原因がわかった時”
“また柵を作る”

ミニピグは泣いた。

彼女はそんな言葉じゃなくてもっと違う言葉を求めてた。

彼もそれを知っていた。
だけど言えなかった。

彼女にはもっと幸せを味わって欲しかったから。

勝手だとわかりつつも彼は願い続けた。
だからこそだったのに。

ミニピグは相も変わらずひたすら愛を探してる。
 

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