第2部
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深夜
生徒も先生も寝静まり、明かりのない校舎の中に、ひとつだけぼんやりと明かりの灯る部屋があった。
部屋の中には、蝋燭の光に照らされて、二つの影があった。
一人は子供、そして彼の前に跪いている青年の姿があった
「・・・で、例のあのモノたちの素性は分かったのか。」
子供の問いに青年が跪いたまま答えた
「いえ、細かいところは・・・ただ、私のアリスを使って木々を襲わせてみたところ、あのモノたちはそれぞれ武器で戦っていました。それも、日本の兵器では見たことのないものばかりでして・・・」
「どこから来た、とかは・・・?」
「生徒からの噂によりますと、過去から来たと言われております。」
「ほう、ではあのモノたちはタイムトリッパーなのか?」
興味深そうに言う子供
「いえ、タイムトリッパーではないようです。その証拠に初等部B組の今井蛍がタイムマシンを作っているという情報を掴みました。」
「フン。嗚海たちは極秘にしていたようだが、私らにとっては筒抜けだからな。」
子供は、あざけるように笑う
「これからどうしましょうか。みすみすあのようなもの達を逃がすようなことは・・・」
「当然だ。珍しい能力をそれぞれ持っているようだからな。場合によっては私の野望の手助けになるかもしれない。」
「ですが、現在今井蛍がタイムマシンを・・・」
「まだ出来たわけではないのだろう?じゃあ、出来なくすればいいだけの話だ。」
子供はにやりと笑い、それから言った
「もしも、タイムマシンもなくなり、その上今井蛍も発明なんぞ出来ない状態にさせれば・・・」
「・・・あぁ、そういうことですか。」
青年も、納得したように頷いた。
「頼んだぞ。」
「仰せのままに・・・―-」