第2部
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「…そろそろ行くぞ、陽一。」
棗が席を立つと、陽一は後からよちよちと付いて来た。
「あ、棗君…」
リナリーが棗の後を追おうとするのを、流架が止めた
「リナリーさんはここにいたほうがいいよ。」
「え?どうして」
「えっと……」
「あの人は危険能力系に所属しているの。」
リナリーの言葉に、答えに困っていた流架の代わりに蛍が言った
「危険…能力系?」
初めて聞く言葉にアレン達は首を傾げた。
「ちょっ…蛍!」
「いいじゃない。どうせアレンさん達も分からなければいけないだろうから。」
そう前置きして、蛍は説明を始めた
「私達アリスを持ってる人達は、それぞれの能力系クラスに分かれてるって話はしたわね?
「はい。確か、潜在能力系、技術系、体質系、そして今僕達がいる特殊能力系の4つでしたよね?」
アレンが答える。
「そう。でもその4つの能力系というのは表向きで、実はもう一つ能力系のクラスがあるの。」
「それが危険能力系なんさね?」
「そう。危険能力というのは、アリス能力が危険と見なされる人達がいる所なんだけど、その人達には、殆ど極秘で扱う任務とかを学園のトップから任命されるの。中には命に関わることにも関与されてるって話よ。」
「…棗はそのクラスに所属しているんや」
蜜柑が答えた
「でも、棗君が危険能力系に入ってるって事は分かったけれど、どうして私が棗君の所へ行こうとしたのを止めたの?」
「危険能力系クラスの人達は、大概監視されているんだ。だから当然、一緒にいる人達も目を付けられる。」
「過去から来たアレンさん達なら尚更ね、能力も見たことないものだし、一度やっかいごとを起こしたら、二度と帰れないわ」
あんな小さい子をそんな所に…
まだ何も知らない純粋な子共達が見知らぬ所に放り込まれ、任務をやらされる。家族とも引きはなされて…
リナリーは、棗と昔小さかった自分とを重ねた
「棗くん…」