第2部

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「で、でもアレンさん…」


「棗君は大丈夫ですよ。リナリーもこの分だと大丈夫でしょう。」


まだ心配そうな蜜柑をアレンは宥められながら、蜜柑達3人は、彼らに連れられてそっとその場を離れた。



そのころ、リナリーと棗は二人きりになり、沈黙が続いていた。


何となく気まずい



「棗君、体は…?」


「治った」


「嘘。」


「嘘じゃねえよ。」


「…みんなそうよ。」


急にリナリーの顔に暗い影が落ちる。


「私の周りの人はみんな、自己犠牲で独りで抱え込んで…私達には頼ってもくれないんだから。」


「………」


「それとも私じゃ…やっぱり頼りな「ちげえよ」



棗は、リナリーの言葉を遮った。




「頼りないなんて誰が言った?そりゃてめえの被害妄想だ」


「えっ…」


「俺は…「危ない!リナリーさん」」


蜜柑の声に棗とリナリーが見上げると、頭上から大きな木の大きな枝が折れて、2人に向かって降ってきた。


「くそっ…」


棗はリナリーの腕を引っ張ってそれをかわす。


そして、倒れてくる木々に向かって棗は火を放った。ゴォォッと音を立てて木々達が勢い良く燃えていく。


けれども、体調が回復し切れていない棗では、サ次から次に倒れてくる木々達を独りで、しかもリナリーを庇って対応するのは限界があった








そのころ、物陰の蜜柑やアレン達も棗とリナリーの身の回りに起こっている異変に気づき、イノセンスやアリスで対応していた。


「とにかくすぐ助けに行かないと!」


流架が言った直後、棗の真上から太い木が倒れてきた。


「(避けきれねえ…っ)」


よけるタイミングを失った棗はこれから自分の身に起こることを予想して目をつぶった。


「棗ぇ!!」


蜜柑の悲鳴にリナリーが動いた。











「…イノセンス、発動」
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