第1部
□火曜日
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☆「火曜日」☆
「ふぅー」
晩御飯の後片付けがひと段落し、翼はうんと伸びをした
火曜日は大体平日の生活リズムを取り戻すことができる日だ。
しかし、一週間の中でも結構つかればたまる日でもある。
ましてや明日は水曜日。週の折り返し地点とはいえ明日は今日よりもっと疲れのたまる日だ。
明日も早起きをしなくてはならないし、今日くらいでバテていてはいけない
そのためにも身体の疲れは早めにとっておかなくては
「やっぱ疲れを手っ取り早くとるなら風呂でショ。」
そうつぶやいて、翼は自室に戻っていそいそと着替えとタオルを用意し、浴室へと向かった
さくらアパートの浴室は、男女別で共同利用しなくてはならない。
でもその代り、大浴場並みほ広さを誇っている。
掃除はかなり大変だが。
あまりの大変さに、翼も掃除だけは住人に何人かグループで当番制で掃除をさせているほどだ。
「でもなー掃除したての風呂に入るのは気持ちいもんなー」
しかも今日はいつもよりも早い時間に入浴する。
もしかしたらあの大浴場をしばらく独占できるかもしれない
「さー入るぞーー」
そんな淡い期待を胸に抱きながら、翼は脱衣所のドアを開けた
「・・・・」
その瞬間、彼の淡い期待は粉々に砕け散った