第1部

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「……ん……ん?ここどこっ!?」

アレンがカバッと起きたとき、傍らでビクッとした人がいた。

「っ…ビックリした〜。お兄さん大丈夫ですか?」


と、以前のリナリーみたいにツインテールにした女の子に話しかけられた(ちなみに今のリナリーはショートボブ。)

「だ…大丈夫ですが、あなたは誰ですか?それにここはどこですか?」

「ここはアリス学園でうちは佐倉蜜柑て言います」


蜜柑という少女はそう言ってにっこり笑った。


「僕はアレン・ウォーカーと言います。どうぞアレンと呼んでください。ちなみに今何世紀ですか?」

見慣れない蜜柑の服装や、景色で、自分のいた世界ではないだろうと既に分かってはいたが、せめて過去か未来かどっちに来ているのか知りたい。
アレンは率直に聞いてみた。


「?今?今は21世紀に決まってるじゃないですか(笑)」

ア「21世紀っ!?」

「へっ?」


僕達がいたところは19世紀。…てことは未来か

自分は19世紀から来ましただなんて言ったら、この子は信じるだろうか。
「僕は19世紀がら来たんですよ。他に三人の仲間と来たんですが…どこに行ったんでしょう」

「ほぇ〜!19世紀から!でも帰るすべはあるんですか?もしよかったらお仲間さん見つけたあとで野田っちのところに行きましょう(笑)」

意外とあっさりと蜜柑がいうのに驚きながら、それでも信じてくれたと内心ホッとしながら、アレンは疑問を口にした。

「野田っちって誰ですか?」

「アリス学園の先生でタイムトリッパーのアリス持っているんで帰れると思いますよ」

「あ…有り難うございます」

…普通に今この子物凄いことを言ったような…タイムトリッパー!?21世紀はもうそこまで進んでいるのか。
というかその前に…

「…あのちょっと気になってたんですけど、アリスって何ですか?」

「アリスって言うのは、簡単に言うと特殊な能力とその能力を持った人の総称を言います。例えば、空を飛ぶことが出来たり、水を操ったり、ぶっちゃけ何でもアリの能力です。」

それは凄い。僕らのイノセンスに似てるかもしれないが、それをこんな可愛らしい女の子が使いこなせているのか。

凄いな、21世紀。

「せや。はよお仲間さん探しに行かな!確か、あっちの方にも光が見えたから先にあっちに行ってみましょう」

蜜柑を見て立ち尽くしているアレンの隣で蜜柑が 思いついたように手をポンと叩いて言った。

「え僕の仲間もここに来ているんですか。」

「まだ分からへんけど、可能性はあるで。こっちや」
そう言って蜜柑はアレンの手を引いて森の方へ向かった。


蜜柑とアレンが行こうとしている所は北の森という恐ろしいところだとは知らずに…。
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