DREAM L
□13 確かに感じるフィナーレに
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2009年01月28日
YB倉庫の中からは エコーのかかった声が
冷たいコンクリートを伝ってほんのわずかに聞こえて
耳に響くイヤホンからの音とシンクロした
『月く これ、持って行こ よ』
彼らが捜査本部を出る時の松田さんの情には感謝したが 別段必要もなかったらしい
コンクリート越しのそれの方が はるかに音質がいい
腕時計を見ると 13時37分
『ニア 30分以じょ 経った 何も起こらな
当たり前です ここにキラ いないんです ら
いいでしょ 面を ります』
カチ、カチと秒針が進んだ
松田さんが声をあげた
『すみませ また ってください
また待つ!? 何 待つんだ?
全 を解く もう一人 来るのを』
ニアという男の考えをコンクリートを伝って耳に入る
これは、もう必要ないと イヤホンを外して
入り口とは反対側の冷たい壁に寄りかかり 煙草に火を点ける
彼の考えでは
魅上 照がデスノートを持ち 必ずここに来て
その死神の目で名前を確認し、書きこむという
中に居る全ての者の命をさらしてでも 証拠を作るためだろう