卒業

□3月13日
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悔いは残したくないから、あたしの気持ちを素直に伝えよう。
進学したら会えなくなることくらい分かってる。だから、最後に「好き」ということだけを知っていて欲しい。

大好きな君へ、さようなら――・・






『神田・・・、ちょっといい?』






卒業式で泣き腫らした目を隠すように少し下を向きながら、帰ろうとしていた神田を呼び止めた。
知ってるよ、神田は誰のことも好きにならないこと。知ってるよ、神田はあたしのことただの友達としか見てないこと。

全部知ってるけど、言わないままお別れなんて悲しすぎるよ。まだ「好き」と言って振られたほうが悲しくて、辛いよね。






『もう卒業だね、3年間早かった』


「・・・だな」






この高校では1学年の人数が少ないため、3年間クラス変えはない。
あたしの気持ちを知っているアレンやラビにはたくさん色々と協力してもらった。雨の日、二人で並んで帰ったこともあったね。

見上げる桜、たくさんの思い出たちが頭を駆け巡り卒業式であれだけ泣いたのにまた自然と涙が溢れ出てくる。その涙は、熱く熱く・・・止まらない。






『好き、神田のこと好き。大好き・・・だから、』


「分かってたぜ、お前の気持ちくらい」


『・・・え?』


「知ってたってんだよ、でも・・・俺はその気持ちに応えることは出来ねェ」






覚悟してたはずのこの痛み。
でもね、伝えられて良かった。あなたに会えて、よかったよ。






『言えただけでも良かった、ありがとう』


「・・・・・・」


『後悔はしてないよ、ばいばい・・・神田』






背を向けた、これ以上泣いている顔は見せられない。
心のどこかでは期待してたのかもしれない、こんなに胸が痛むのだから。

さようなら、大好きでした――・・




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卒おめ企画/3月13日

危なかった〜っ!
今、23:18です!


華穂(10'0313)




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