話
□焼き芋が好き
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「妹子って、どんな女の子が好みなの?」
なんなんだこのおっさん。
久しぶりに有給をもらってのびのびと過ごそうと思っていた。
(掃除と洗濯して…終わったら昼寝するんだ!)
今日の計画はきっちり決まっていた
そんな時だ。
「ピンポーン!ピンポンピンポンピンポンピンポーン!」
僕は玄関が何やら騒がしいことに気づく。
誰かが…いや、誰かは薄々気づいてるが。
口でチャイムの真似すんなよ。
しかも、この時代で。
「妹子ー!開けろー!!開けんかこのイナゴ!」
「はいはい、なんの用ですか太…ゴミムシが」
「わざわざ言い直すな!!しかも、私、ゴミムシ?」
この人の訪問で、僕の予定は台無しだ。
「今日はな!この私自ら、休みなんかとって退屈だろう妹子のために遊びにきてやったんだぞ!感謝しやがれ!」
「…僕、暇じゃないので。また今度…」
ピシャン
「まてこの芋野郎!開けろ!あけやがれ!開けないと放火するぞ!!」
「さようならまた今度。」
「………」
「……………」
「…こうなったら」
急に真面目な声が聞こえた。
「妹子の家の前で死んでやる。」
「!?」
「バイバイ…お前に会えてよかった…」
「太子っっ!」
ガラッ!!
あれ?
目の前にはニコニコ笑うおっさん。
「無限に広がる大宇宙」とか言って勝手に入ってくる
現状についていけない心臓がうるさい。