天翔る空に惑いし幻影

□あの日
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「ディーノっ!
起きてディーノ!」


あの日から7年。
私はもうすぐあの時の兄様の年齢になる。
あれから、全く会えなくなった兄様やスクアーロの情報がキャバッローネを介して入る度、私は泣いた。

どうして兄様たちがそうしたのか分からなかった。
でも、そんなことを思いながら、心の片隅で仕方なかったんだ。と思う私もいた。
兄様は誰よりも「ボンゴレ10代目」の座を欲しがっていたから。


「……ん゙ー…」
「ほら!起きて!
じゃないとリボーンの見送り出来ないよ!?」
「もうそんな時間か!?」


ガバッと飛び起きた金髪は、7年前も今も私を支えてくれる。
兄様やスクアーロがいなくても寂しくなかったのは言うまでも無く、この金髪のお陰


「ディーノがなかなか起きないからリボーンはもう食べ始めちゃってるよ?」
「え゙……」
「もしかしたら、食後のエスプレッソ飲んでるかもね。」
「…ご、ごめん…」


広いベッドの上でショボくれるディーノの頬に軽くキスを落として、この部屋の扉に向かって歩いた


「早くしないとホントに食べ始めちゃうよ?」


ニコリと笑ってディーノの部屋の扉を閉めれば、それと同時に私を呼ぶ声。


「騙しがいがあるなー」


純粋なんだから。
それがディーノの長所でもあり短所でもあるんだけど。






兄様、スクアーロ。


私はあの日の2人の優しさのお陰で、笑って生きてるよ。








Explicit.
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