@夏目
(夏目とニャンコ先生)





「お前はもう少し私を敬ったらどうなんだ!先生先生と呼ぶ割には全く私を敬ったり尊重したりしないではないか」

「………」


これが敬って欲しい人…じゃない、妖だ…敬って欲しいと思っている妖の態度なんだろうか…俺は先生の普段の行動を思い返してため息をついた。


「…何を敬えって言うんだよ…」

「何だと!?用心棒としてお前を守ってやってるではないか!」

「その分のお礼はちゃんとしてるだろ。お饅頭とかで」

「あれを買ってきてるのはほとんど塔子じゃないか」

「俺が買ってきてやったのもあるぞ」

「ええい細かい事を気にするでない!とにかくお前はもう少し私を敬えば良いのだ!」

「………………」


先生はたまに突拍子もないことを言い出すから困る。まさかもう酒でも呑んでいるんじゃないだろうな…有り得なくもないから困る…これだから酔っ払いは。


「はいはい分かりましたよニャンコ先生様。お疲れでしょう肩でもお揉みしましょうか」

「ひどく棒読みだが…まあいい、では揉んでもらおうではないか」

「はいはい」


そうやって先生はちょんっと起き上がってあぐらをかいていた俺の足の隙間に座った。…この態度が何となく腹立たしい。けれど今俺の中にある感情がそれだけではないことは…秘密だ。







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