メモ
□雛祭りは女の子の日?
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嫌いって訳じゃないけど、僕はその日がきて欲しくなかった。
いつものようにポケモンバトルをした後、休憩がてらに近くの湖に寄った。
宝石のように輝くその湖はなんとも綺麗で、そこに吹く風はとても暖かった。
季節は夏を迎えていた。
サトシたちは疲れていたのだろう。暫く経つと寝息をあげていた。
一方で取り残されたポケモンたちは、思い思いに時間を潰す。
だが、騒がしいとも言える彼等の中にいつも一緒にいる彼の姿はなかった。
腹黒電気鼠で有名なピカチュウが。
「そういえば…」
オオスバメが思い出したかように口を開いた。
「ピカチュウがいなくない?」
首を傾げ、困惑した表情を浮かべるオオスバメの言葉にその場にいた全員は、はっとした。
「確かに」
「さっきから、いないですね」
「何処いったんだ?」
「さぁ?」
口々に言う、オニゴーリとコータスとジュプトルとヘイガニ。
他の奴らも首を傾げるだけで何も知らないようだった。
「でも、此処に来た時は居ましたよね?」
コータスの言葉に全員が同意するように頷く。
「なら近くにいるんじゃねぇか?」
そう言い辺りを見回すジュプトル。
「案外、寝てたりして」
意地の悪い笑みを浮かべるヘイガニ