メモ

□リーダー
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夢をみた。
あれは、僕がまだ小さかった頃のこと。
森に住んでいた僕たちは毎日を自由に過ごしていた。

僕は森の仲間たちのリーダー的存在だった。
体は今より小さくてもその頃から度胸は人一倍あったから、誰よりも早く先陣を切っていた。
仲間たちは何も言わずに僕についてきてくれた。
そして僕は彼等の期待に応えようと頑張った。
そうあの日までは。

空は快晴だった。
雲は綺麗に漂っていて、森は静かだった。
早朝の出来事だった。
急に空気が変わり、目の前で仲間たちが消えていったのは。
気づいた時には辺りは一面に焼け野原と化していた。
僕は生存者を探した。

飛び散る火の粉が襲い掛かる。
自慢の尻尾は半分焦げていた。
それでも、僕は誰かを必死で探した。

でも、どんなに歩いても誰もいない。
生存者は僕一人だった。
悲しみに嘆いた僕は発狂した。
狂ったように笑った。
森はもう僕以外誰もいない。

その事実が悲しくて辛くて、僕は……。
気を失った。

夢はそこで途切れた―――。


世界が反転する。
眩しさに耐えられずに目を開けると見知った人物が僕を覗き込んでいた。

「……リンク?」

恐る恐る声をかけると、僕に気付いたのか彼は目に涙を溜めて言った。

「……心配かけるなよ」

ポツリと紡がれた言葉に思わず苦笑すると、彼はそっと身を引いた。
僕はそれを見てゆっくりとベットから起き上がる。

「ごめん。いつからいたの?」
「さっき。ご飯だから呼びに来たんだ」
「……そっか」

ぶすっとした顔で言う彼に済まない気持ちになった。
きっと彼は僕がうなされていた事も知ってる。
理由は知らないけど、だからといって、追求してくるつもりはないみたいだ。

だから僕はニコリと笑って、彼に問い掛ける。

「皆もう集まってたりする?」
「うん。だから早くしないと、カービィ達が全部食べちゃうんだよな」

苦笑いを浮かべながら話す彼は、スッと
 

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