メモ

□ストーカーに要注意!
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断じて

嫌いな訳ではない

ただ気に食わない

それだけ


「獅稜!今日こそ許さなーいっ!」
「何怒ってんだよ?夕ちゃん」
「惚けるなぁぁああ!それから僕は夕ちゃんじゃない!!」

賑やかさに目を覚ますと朝から追いかけっこをしている夕輝と獅稜が目に入った。
ボルテッカーを繰り出しながら獅稜を追う夕輝。
それを間一髪の所で避ける獅稜。
余裕そうに見えるその行動にキレた夕輝が更に速度を上げて追い掛ける。
日常と化してしまったその光景に俺は頭が痛くなった。

「あいつ等、朝から……」
「まあ、仕方ないんじゃね?」

頭を抱えていると、いる筈のない奴の声が聞こえた。
幻聴にしてははっきりとしていた声に俺は頭痛が酷くなった気がした。

「……何でいるんだよ?」
「翡翠に会いに」

一つ溜息を付き横を見ると笑顔の水月がいた。
半音上がって直ぐに返ってきた言葉に思わず苦笑いを浮かべると水月は急に顔色を変えた。
真っ青になった水月に驚き彼の視線を辿る。

「げっ!」

そこには、怒りのボルテージが最高になり辺り構わず岩を投げている夕輝がいた。
当然、こっちにも飛んでくる訳で。

「……うわっ!……ちょっ」
「……あのバカ」

あわあわと慌てる水月を尻目に俺は軽く舌打ちする。
だが、夕輝は投げるのに夢中なようで気付かない。
獅稜はもう論外だ。

「おぃ!夕……」
「ゆぅっ!」

事態の解決のため声をかけようとした瞬間、誰かの声がそれを遮った。
俺の隣にはいつの間にか来たのか空緋がいた。
彼は出来るだけ大きな声を出し、夕輝を呼ぶ。

「……獅稜、君いい加減に……」
「ゆぅ!」
「………くぅっ!?」
 

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