メモ
□君は僕の
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笑顔が好き。
癒されるから。
君は僕にとってビタミンみたいな存在。
「ピカチュウ!」
年相応な表情。
でも、よくクルクル変わる。
笑ったり、泣いたり、怒ったり、
他の誰よりも沢山の顔を持っている気がする。
「大丈夫かっ?」
ほらっ泣きそうな顔してる。
僕が日常のようにロケット団にさらわれると彼はいつもこの顔をする。
だから、安心させるために僕は笑う。
「よかった……ごめんな」
まだ、泣きそうな顔。
でも、少しだけ笑ってる。
安心してるんだと分かって僕は嬉しくなる。
「……サトシー!ピカチュウー!」
「無事かぁー?」
「あぁ!大丈夫だ」
あっ笑ってる。
カスミとタケシが来て、落ち着いたんだね。
さっきよりいい笑顔。
嬉しいけど、複雑だよ。
だって、僕は君を泣かせてばかりだから。
「もう!心配したんだからね」
「本当に驚いたぞ!」
「悪かったって……でも、ほら無事だし」
苦笑いを浮かべ、僕と新入りのチコリータを見せるサトシ。
元々、チコリータはサトシを好きすぎて飛び出したのだから、探してもらえて嬉しかったのかすっかりサトシにべったりだ。
僕はその様子を第三者のように見る。
でも、表情は笑っている。
「じゃあ、戻るとするか」
「あぁ……そうだな」
僕達を見つけられて嬉しいのか彼は笑顔になっていた。
今日、一番の笑顔。
それはきっと、チコリータが帰ってきたからなのだろうけど。
自惚れてもいいかな?
ねぇ、そこに何割か僕は入ってる?
いつも一緒に居すぎてもしかして気付いてない?
本当は、ずっと……不安なんだよ。
君が僕に優しいのは、あの日があったからじゃないかって。
ごめんね。
上辺だけの信頼で。
でも、好きなのは本当だよ。
じゃなきゃ、こんな気持ちにならないから。
ふわふわと浮かぶ想い。
雲のようにどこまでも、気まぐれで行き先なんて分からない。
でも、太陽があるから。
空があるから。
僕は頑張れる気がするよ。
だから、どうか偽りじゃない笑顔で
いつか……君に笑いたい。
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