sweet cp
□寂しい
2ページ/2ページ
今日は不二と買い物に行く予定だった。←デートだよ by不二
行けなくなってしまったのは残念だが、不二にうつすわけに行かない。
俺は不二にメールを打つ。
メールなんて全然打たないし朦朧としてる中で打つのは難しい。
-------------------
FROM→不二
RE:すまん
-------------------
今日行けなくなった。
悪い。
今度埋め合わせしよう。
---------END--------
送ってすぐメールが返ってきたが見ることもできず、夢の中に落ちていった。
“ガシャッガシャッ”
何かの音がする。
今日は誰も家にいない筈だから音がする筈がない。
だが、現実として音がしている。
「あっ、手塚!!起きたみたいだね。」
「なぜ、不二がここにいる?」
「何回メールしても帰って来なかったから心配で・・・。手塚のお母さんから合鍵貰ってたし」
母さんなにやってるんですか?
まぁ、それは置いといて・・・。
起きようと体を起こせば不二に止められる。
「いい香りがするが、何か作っていたのか?」
「うん。お粥作ったんだけど食べる?」
「頂こう。」
不二から貰ったお粥を手に取り口に運ぶ。
ほんのり甘く丁度いい塩加減で俺は凄く好きな味付けだ。
「いつから料理をやっていたんだ?」
「初めてだよ。料理本とか見るのは好きなんだけどね。」
初めてで此処まで出来れば上出来すぎじゃないのか?
という俺の疑問はあっけなく答えにたどり着いた。
天才・不二周助。
これで片付けられてしまうのかもしれない。
「ねぇ、手塚。」
「なんだ?」
いきなり弱弱しい声になった。
不二は滅多に弱みを見せる性格ではない。
安易にデータをくれてやる男じゃないことは部の連中もみんな知っている。
「君がね隣にいないのは寂しいんだ。だから早く良くなって・・・。」
久しぶりというのかわからんがこんな不二はずっと前に見たとき以来のような気がする。
俺がドイツに行ったときに不二は一週間部に出てこなかったという話を聞いた。(大石談)
その日々の事を思い出しているのか・・・。
不二は強いが故に脆い。
だから俺も、
「もちろんだ。」
こう返すのだ。
不二side
寂しい気持はなにをやっても満たされない。
君が側にいてくれないと、僕は僕らしくなくなってしまうんだ・・・。
fin