anniversary

□君からの物なら
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今日は風紀委員の仕事が溜まっていて応接室から離れられない状態にある。

せっかく骸が来てくれてるのに書類を片付ける事で精一杯だ。

結局のところ、骸にも手伝わしている。

骸に罪悪感を感じながらも書類を黙々と片付ける。

早く終わらせてやりたいことがあるから。

やりたいこととは骸にあるものを渡そうと計画をしてる。

だって今日はバレンタインデー。


書類が終わったのは約3時間後。

辺りは日が落ちて暗くなっている。


「ごめん、せっかく来てくれたのに」


「構いませんよ。僕は恭弥といられるだけで幸せなんです」


こいつは思ったことを素直に口にする。

それが、愛の言葉でも残虐な言葉でもだ。

少しは控えて欲しいと口には出さないが思っていたりする。

そろそろ家についてしまう。

僕は意を決して骸に提案した。


「・・・僕の家寄って行かない?」


「いいんですか?」


「うん。」


「では、お言葉に甘えて。」


誘うのに成功した僕は骸を家に上げた。

骸をリビングに座らせて、少したった時に何も飲み物を入れてなかったのに気づく。

“何か飲む?”と聞くとココアがいいと返ってきたので僕はココアをいれてリビングに戻った。

そしてチョコを渡すタイミングを計ってまた話しかけた。


「骸・・・チョコ作ったんだけどいるかい?」


「ありがとうございます。頂きますね」


包みを開けると崩れていた・・。

朝までは綺麗に出来ていたのにいつ崩れたのか僕には考えるだけの余裕はなかった。


「ごめん。」


「僕は恭弥がいてくれるだけで嬉しいです。これからも側にいてくださいね?」


「勿論だよ」


離れるなんてありえないよ。

来年はちゃんとしたのを渡すから。

ずっと2人でいようね?

骸・・・・。






君からの物なら

(なんだって嬉しいんですよ)
(君がいれば何もいりませんからね)
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