その他ブック
□まずは世界の片隅から
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その笑顔を見て
やっぱり好きなんだな、とか
再認識
自分の心臓がそう伝えている
「何?そんなに俺の返事が気になった?」
「別に」
「そこはうんって言ってよ、可愛くない」
「悪かったな」
一呼吸置いて
にっこり笑って
「大丈夫。俺が見てるのは静だけだから、安心して」
思わず固まる
全身の血が、顔に集中しようとしてるのがわかる
一気に高まる熱
早まる鼓動
(反則だろ…)
逃げようとして、篤士よりも先に歩き出す
背中越しに篤士がさも面白そうに笑ってるのがわかる
(本当人のことおちょくりやがって)
常に見透かされてるような
鈍く甘い感覚
(早く治まれよ、俺)
まずは世界の片隅から