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□少し幸せな小話
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今日は朝から雨だ
きっとこんな日でも、彼は朝練をサボったりしないんだろう
雨に濡れるのも構わずにランニングなんかして風邪でも引いたら嫌だな
そんなことを思う自分に笑う
(でも、君なら有り得そうだ)
これはいい口実になるかもしれないと思って、ケータイを出す
(…よし。送信!)
数分後、返ってきた答えは一言
『千石さんこそ。』
自然と笑ってしまう
特別な事を言ったわけでも言われたわけでも無いのに
(これが君の精一杯だって俺は知ってるからね)
とりあえず
"ありがとう"
とだけ返した
少しハッピーになれた
とある朝の話
"風邪は引かないように!"
(目の前でこんなこと言ったら「余計なお世話です」としか言われないからね)