□気付いたことには蓋をした
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『気付いたことには蓋をした』




きっかけはほんの少し


『あ、ちょお、そこの人』


突然話しかけられて
妙に馴れ馴れしくて
苦手なタイプだとおもった記憶がある


『俺よりちょっと背が高うて色素の薄い奴見てへん?忍足謙也いうんやけど』


「本当面倒臭い先輩やわー」とこぼすそいつ
忍足、と聞いてさっき忍足さんが誰かと話しているのを見たと思い出す


『それなら多分あっちの方に』
『ホンマあの人何しとんねん…悪い、おおきにな』









「おーい、日吉」


耳元で本人の声がして、ハッと我にかえる

いつの間にか、出会った時のことを思い出していた


「あ…悪い」
「何かあったん?」
「何もない。少し思い出してただけだ」


あれから忍足繋がりで互いを知った

ちょくちょく連絡をとるようになって

いつの間にか、それが楽しみになっていた







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