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□君と僕とワンルーム
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思わず、手を伸ばす
顔にかかった髪をどけると、整った顔立ちが
更に際立つ
(本当キレーだな…こいつ)
男の俺でも羨むほど
透き通るような肌触り
(あー…今無性に)
好きな余り全てを手に入れたくて
壊したくなる、衝動
俺の手でめちゃくちゃにできたら、と時々思う
(ははっ、笑えねー)
そのまま、額に触れるだけのキス
少し、日吉が身じろぎする
(やべ、起きたかな…)
そんな心配も取り越し苦労で
日吉はまた、寝息をたて始めた
(このまんまずっと)
時が止まってくれたら。
「…もう一回寝よ」
日吉の横にうずくまって
手を握って
雨の音と
君の寝息に耳を傾けながら
今だけの幸せを噛み締めた
君と僕とワンルーム