Book3

□Rhapsody in blueB
1ページ/9ページ


スコールとリノアが海に入って一時間が経過していた。

「どうだ?まだ震えるか?」

「うん…でもさっきよりはだいぶまし。水に慣れてきたかな?」


やっぱりスコールが傍にいる安心感からなのか。入ったころよりだいぶ水に慣れてきた様子のリノア。2人は徐々に徐々に沖のほうへ体を沈めていった。

途中足がつくところでリノアは顔をつけてみたり、軽く泳いでみたりしながら。まぁどれもスコールの献身的な補助があってこそだった。

「顔つけるのも大丈夫か?」

「うん。あんまり長いことつけれないけど…」

「そうか…でも…そろそろ試してみるか」

「試すって?」

首を傾げてスコールを見るリノア。だけど彼はそれには答えず、沖のほうをじっと見つめている。なにか見つけたのかと思ってリノアも彼の視線の先を追った。そこには…一隻のモーターボートが通り過ぎるところだった。そしてスコールは彼女を見て…笑う。

「わっ?!」

スコールはとっさにリノアの浮き輪をはぎ取った。とたんに大きな波が2人をザッパーンと飲み込んでしまう。

「んんんんーーーーー!!!!」

リノアはパニックになり手足をばたばたと動かした。

(だ、だめ!)

幼少のころの自分がフラッシュバックされる…−
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ