Book3
□Rhapsody in blueB
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スコールとリノアが海に入って一時間が経過していた。
「どうだ?まだ震えるか?」
「うん…でもさっきよりはだいぶまし。水に慣れてきたかな?」
やっぱりスコールが傍にいる安心感からなのか。入ったころよりだいぶ水に慣れてきた様子のリノア。2人は徐々に徐々に沖のほうへ体を沈めていった。
途中足がつくところでリノアは顔をつけてみたり、軽く泳いでみたりしながら。まぁどれもスコールの献身的な補助があってこそだった。
「顔つけるのも大丈夫か?」
「うん。あんまり長いことつけれないけど…」
「そうか…でも…そろそろ試してみるか」
「試すって?」
首を傾げてスコールを見るリノア。だけど彼はそれには答えず、沖のほうをじっと見つめている。なにか見つけたのかと思ってリノアも彼の視線の先を追った。そこには…一隻のモーターボートが通り過ぎるところだった。そしてスコールは彼女を見て…笑う。
「わっ?!」
スコールはとっさにリノアの浮き輪をはぎ取った。とたんに大きな波が2人をザッパーンと飲み込んでしまう。
「んんんんーーーーー!!!!」
リノアはパニックになり手足をばたばたと動かした。
(だ、だめ!)
幼少のころの自分がフラッシュバックされる…−