Book3
□MASQUERADE!A
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―バラムガーデン学園長室
「失礼します!」
「おや、セルフィ。どうしました?任務の報告ですか?」
一方こちらはなにかを思いついたセルフィ御一行。にこにこ顔のセルフィとその後ろに険しい顔のキスティスに少し不安げなリノアの姿があった。
「あら、珍しいですね。リノアも一緒なんて」
学園長室にはシドとその妻であるイデアの姿もあった。魔女の力がリノアに移った後、イデアもバラムガーデンにて生活をしている。夫のサポートとリノアのよき理解者として。そして年少クラスの「ママ先生」としても。2人はちょうど食後のコーヒーを嗜んでいるところのようだった。
「で、いったい何の用です?」
「実は!次の任務についてシド学園長に提案がありまして!」
キスティスとともに敬礼をした後、セルフィは喜々として言った。
「なんでしょう?」
シド学園長はいつものように穏やかな雰囲気で続きを促した。そこで待っていたのはセルフィの突拍子もない…発案だった。
「実は…リノアもこの任務にぜひ参加させてもらえませんか?」
「えぇ?」
シドは目を丸くした。イデアもそれを聞いて困惑した表情を見せる。2人は一瞬目を会わせた後、シドが口を開いた。
「セルフィ…冗談はよしなさい。リノアは魔女ですよ。それにSeeDでもない。あなたたちの任務に連れていくなんて危険です。ましてや次の任務はドール公国大公の就任式。どんな輩が潜んでいるか…」
シドの発言は当然のことだった。