Book3

□MASQUERADE!B
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本日は快晴である。8月23日―いよいよドール公国における新大公の就任式が行われようとしていた。かくしてスコールの誕生日と同じ日に。


ドール公国は魔女戦争時、ガルバディアに侵攻されていたものの、SeeDの活躍、ガルバディアのデリング政権崩壊とともに着実に国としての力を回復させていた。そして本日新たなるドール公国の歴史を紡ぐべく、新大公が着任されることになったのである。

町は朝にもかかわらず活気にあふれていた。人々は新たなる門出の祝いに杯を交わし、町の至るところで楽器を奏で、どこからともなく紙吹雪が舞っていた。


そんな大々的な行事にSeeD一行もおのずと緊張感が漂う。彼らの任務はドール大公の護衛と就任式の警備だった。


先に現地入りしていたスコール、ゼル、アーヴァインその他のSeeDに加えてキスティス、セルフィがメンバーに加わる。そして就任式当日、司令官であるスコールを中心に本日の任務の最終の打ち合わせが行われていた。

「いいか、ゼルはパレード出発地点から就任式が行われる広場まで大公の護衛。アーヴァインは国の検問所に待機。セルフィは市街の大通りの監視、キスティスは本部待機、そして俺は就任式付近を回っている。他のものは……だ。これで間違いはないな?」


全員SeeD服に身を包み、スコールの言葉に頷く。本部があるホテルは人々の興奮冷めやらぬ熱気がひしひと伝わってくるようだった。とたんにSeeDにも多少なりと緊張感が漂う。


「では解散。不審な人物や物に気づいたら必ず俺に連絡するように。また同時にその場での適切な対処を」

「「「了解!」」」


全員が乱れぬ敬礼をし、次々と本部を出ていく。かくして任務は開始された…
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