Book3

□2枚の写真から
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う…そ…


リノアは一枚の写真を見て、一気に顔が青ざめてしまった。と同時に体中が震え、溢れだす涙をこらえるように口元を押さえる。


「どうして…スコール…」

がくっとその場で跪き、座り込む。リノアは、ただただ混乱するしかなかったー…


-*-*-*-*-


それはスコールの部屋で彼の帰りを待っている時に起こった。

リノアは授業が終わった後、スコールの部屋を訪れ、制服から普段着に着替えた後、ベッドに寝転び、図書室から借りてきた小説を読みふけっていた。

いつも通りの光景。時折入れておいた紅茶に口をつけながら、リノアは物語の住人になる。そんなふうにして時が過ぎるのを静かに待っていたとき。

カサ…


ドアの隙間からサッとなにやら封筒のようなものが差し入れられたのだ。そしてドアの向こう側で誰かが走る去る音が聞こえる。リノアは訝しげに封筒を見、手に取ってみた。


(あれっ…宛名も差出人も書いてないの?)


ごくごくシンプルな白の封筒だった。それがますます怪しいと感じさせる。だが封が開いていることにリノアは気付き、彼宛てと知りながらも抑えられない好奇心に負け、とうとう中を覗き込んでみた。

「…!!!!」


…出てきたのは一枚の写真。そこには私服姿のスコールと仲良さげに腕を組んで歩いている、見知らぬ女の子の姿があったのだ。
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