Book3
□2枚の写真からE
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リノアの手を握り締めながら言う。
「おまえら…でろ」
スコールは振りかえりもしなかった。だが彼は背後に潜む存在に、いち早く気づいていた。気配を消しているものの、こちらを窺うわずかな動揺を見逃さない。
リノア、キスティス、ゼルはばっと後ろを振り向く。やがて影がぼんやりと現れ、それに動きが加わった。
「…はんちょ、リノア…ほんとごめん!」
ほの暗い廊下の角から飛び出してきたのは小柄な女の子。続いて長身の男が続く。
「ごめんよ、スコール、リノア…」
2人はそこにいたスコール、リノア、キスティス、ゼルに近づくと頭を下げる。女の子のほうは幾度と頭を上げたり下げたりしていた。
「…どういうことだ。セルフィ、アーヴァイン」
スコールは頭を下げる2人を見下す。その声は絞り出すようだった。リノアは未だに混乱しているようで眉を下げた表情で見つめる。やがて申し訳なさそうにセルフィが口を開いた。
「実は…ちょっといたずらしようとしただけやねん。まさかこんなことになるなんて…」
「う、うん、そうなんだ」
「だからどういうことなんだ。それを説明しろ。具体的に」
「「わかった」」
しっかりとした声が廊下に響く。アーヴァインとセルフィは項垂れながら、事のいきさつをぽつりぽつりと話し始めた。廊下はほの暗く、シー…ンと静まり返っていた。