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□going out in the snow 〜squall side〜
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―おまえがそばにいるから。世界は美しく見える。

久々に休暇がとれた。前の休暇からいったいどれくらいの月日がたっていたのか。…覚えていない。それほど俺は立て続けにガーデンに舞い込んでくる任務をこなす日々を送っていた。


魔女戦争が終わっても世界には紛争が絶えない。それゆえ 以前にもましてこのバラムガーデンにはSEED派遣要請が殺到していた。もちろん俺もSEEDである以上任務を下されればその地へ赴く。だが…ひとつ気になるのは…リノア。


彼女は魔女だ。普段1人で外に出ることはできない。そのため俺の休暇がとれた時にはバラムへ連れてってやると約束していた。しかし無情にも俺のスケジュールには休日などほとんど存在しない。また奇跡的に行ける時間ができても、彼女は任務づけの俺の体を気遣ってくれるので行けずじまいだった。



リノアに1日休みをもらったと告げたら彼女は大いに喜び、満面の笑みを浮かべた。最近任務続きでろくに会えなかったこともあり、その笑顔を久しぶりに見た気がする。と、同時に脱力感しかなかった俺の体は次第に暖かくなっていく。この感触は…リノアに出会うまでは味わえなかったものだろう。

(休みがもらえてよかった)
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