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□only you〜バレンタイン記念作〜
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今日はバレンタインデー。女の子が男の子に勇気をもって愛を告白する日。

わたしの場合告白って感じじゃないけどやっぱり伝えたい。あなたが大好きだってこと。だからスコールが仕事から戻ってくる前にわたしは1人部屋にこもって朝からチョコレート作りに励んでいた。
甘いものが苦手な彼のためになるべく甘さ控えめにして…量も少なくして…でもきれいにみせたくて…そして喜んでもらいたい。

わたしはチョコをもらった時のスコールのはにかんだ笑顔を思い浮かべ、1人にやにやしながらチョコレートを湯せんにかけた。今までの作業はとっても順調だ。

今日は素敵な日になるに違いない―そう思っていた。


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「……また失敗」

今わたしはなにをしているかというと…ラッピング作業。手先が不器用なわたしにとって最大の難関なのだ。今までだめにした包装紙は数知れず。何回も巻き直したリボンはよれよれ…

はぁ〜と大きくため息をつく。現在午後5時。スコールは今日は内勤でたぶん9時ぐらいに帰れるだろうと言っていたからそれまでに絶対に仕上げなきゃならない。で、ラッピングに今までにわたしが費やした時間なんと4時間…
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