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□おあずけ
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pm1900


珍しく仕事が早く終わった。スコールは自室までの道のりを足早に歩いてく。

本来ならこの時間は会議や雑務を片づけている
時間だろうか。定刻通りに帰れるほどSeeD司令官は甘くはない。

そうなると必然的にリノアを待たせることになる。自分の帰りを待っていてくれている彼女。待ちきれなくて拗ねていたり泣きそうな顔で待っていたこともあった。

どんなに寂しい思いをさせていただろうか。彼女の顔を見るたび愛しさが募り、申し訳なさも感じた。

だが今日は違うだろう。びっくりするだろうか…はたまた違う意味での泣き顔を見せてくれるかもしれない。

スコールはそんな期待を胸に笑みを浮かべながら自室に入った。

シュ___




(………)

スコールはその反応のなさに呆然とする。リノアが…いたのはいたのだが自分の端末をなにやらいじっていてまったく自分に気がついていないのだ。スコールは自分が想像していた『お出迎え』が見事に打ち砕かれたことに自分の頭を殴ってやりたい気持ちになった。

(………情けない)


そう思い、ため息をついたところでようやく彼女が振り返った。
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