Book2

□もしも…メンバーが動物だったらF
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リノアは泣いていた。


大粒の涙がその黒い瞳から零れおち、地面の葉っぱを濡らしていく。


そのあまりに居たたまれない様子にほかの仲間は懸命にリノアを宥めていた。


「リノア、もう泣きやんでぇな〜」


「…やっぱり狼は狼だったのよ、リノア。食べられなかっただけましというものだわ」


「そうだぜ、リノアはだれでもかんでもすぐ信用しちまうからな、ほんと命があってよかったってもんだぜ」



リノアはしゃくりながら仲間の言葉を聞いていた。


結局わたしたちは分かりあえない存在なのか?ただの捕食者と被捕食者の関係でしかないのか?



(信じたくないよ…!)



…だけどあのスコールの冷たい頬笑みが頭から離れない。
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