Book2

□もしも…メンバーが動物だったらG
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スコールは荒野を歩く。


まっすぐ、まっすぐただまっすぐに。


固い荒野には彼の足跡はつかない。だが吹き付ける風は強く、彼の黒い毛並みは舞い上がった土埃によって全身が灰色になっていた。



スコールは自分がいったいどのくらい歩いたのか分からなかった。体は勝手に動く。けど心はついていってないのかもしれない。


―なぜなら森を離れてからずっと。スコールの考えることはただひとつだったからだ。



(これでよかったはずなのに…)



どうしても思い出してしまう。あの時の彼女の涙と怒りの表情。今まで見たことのない、真の敵を見る目だったのだ。


(当たり前だ…)


ふっと自嘲気味に笑みをこぼす。だって自分は彼女を裏切ったのだから。彼女の仲間を食べかけ、あまつさえ彼女自身もこの醜い口の中に入れてしまおうとした。


そうだ。これでよかった。これ以上彼女と深く関われば泥沼にはまってしまいそうな気がしたのだ。…もうあの時みたいな思いはしたくない。
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