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□going out in the snow〜rinoa side〜
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「わぁ…きれーい!」

今日、わたしはスコールとの久々のバラムデートを楽しんでいた。わたしの好きな洋服屋さんや雑貨屋さんを巡り、お昼ごはんを食べ、彼の武器の補強のためジャンクショップにより、海岸をぶらぶらと散歩している。


今日は朝からバラムではめずらしく雪が降っている。そのため海岸のあたりは一面真っ白な雪で覆われていた。わたしたち以外にはだれもいない。そこはとっても神秘的な空間で…吐いた息さえもきれいに見える。



わたしは海岸線をひたすら歩く。わたしたちの前にここに来た人はいないようで、わたしの足跡が真っ白なキャンバスにでこぼこをつけるように地面に刻まれていく。…振り返れば彼がいて、わたしを見守るようについてくる。目が合って微笑みあった。


「足元気をつけろよ。」

「わかってる〜」


わたしはふと目の前に広がる海としんしんと降り注ぐ雪に目を凝らした。ガーデンから見る海は遠くの方でその青を輝かせるだけ。けれど今見る海はとてつもなく大きくて、色が深くて、目の前のパノラマがいつも以上に広がってる気がしてそれは生き物のように動いている。けれどその中に柔らかく降ってくる雪たち。ふと思いついたことを言ってみた。
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