words(BOOK)

□Fuwa
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たくさんのひとにさよならを言う

最近の自分はまるで旅立ちの準備をするみたい

またね じゃなくて

さよなら だ


もしかして何かのはずみでもう二度と会えなくなってしまうなら

最後の一言をちゃんと言っておきたい

そう思っていた



たいせつなひとほどきちんと突き放してしまわないと


もう戻れなくなった後もぐるぐると

伝えたくてさまよってしまうかもしれないから


ああ

がんばるよって言ったけど

こんながんばりかた

怒られちゃうかな


ほんとうに、誰よりもたいせつな君にもちゃんと

がんばって、言わなくちゃね



  さ   よ   な    ら


泣かずに、言おうと

精一杯こらえていたのに


君が私を叱るから


馬鹿野郎、って

叱るから


うれしくて 涙が出たよ

私から離そうとした手を

私を叱りながらそれでも

離そうとしない君が

ほんとうに ほんとうに愛しくて

うれしくて せつなくて


涙が 出るんだよ



もうすぐ消えてしまう私の命は

確かに今、ここにあるんだ

私が 消えて しまっても

君が私を覚えていてくれるなら


私が生まれてきた意味は

ちゃんとあったのかもしれない



ああ あたし、


きみにであえて ほんとうによかった



あたしの命は想いと共に

記憶のなかに、いつも


君のとなりで 笑っている










END
2011522


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