words(BOOK)

□風
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ゆるく吹いた風に 掌の花びら一枚ふわりと揺れて 離れていった 追えば頭上の太陽が 眩しく光って目を瞑る

再び開いたその時に もう影もなく消えている 沢山の花びらに紛れてそして 消えてしまった

その残像は今も、いつも 色褪せぬまま


淡い映像は何度でも 浮かんでは消え を繰り返す

埋もれたどこかに君がいるなら 這いつくばってでも見つけてみようか

身をひそめた君のこと この手で引き摺り出してやろうか



と、何度も

何度でも 君を傷付けるだけの私はいつも

自我に塗れて汚れたこの手で君を ただ君を探し求めている





END
2011523


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