words(BOOK)
□風
1ページ/1ページ
ゆるく吹いた風に 掌の花びら一枚ふわりと揺れて 離れていった 追えば頭上の太陽が 眩しく光って目を瞑る
再び開いたその時に もう影もなく消えている 沢山の花びらに紛れてそして 消えてしまった
その残像は今も、いつも 色褪せぬまま
淡い映像は何度でも 浮かんでは消え を繰り返す
埋もれたどこかに君がいるなら 這いつくばってでも見つけてみようか
身をひそめた君のこと この手で引き摺り出してやろうか
と、何度も
何度でも 君を傷付けるだけの私はいつも
自我に塗れて汚れたこの手で君を ただ君を探し求めている
END
2011523