words(BOOK)
□指先から腐ってく
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くるしくて くるしくて
ああもう駄目息も出来ないくらい
いつも、何をしていたってあなたのことを考えてしまうの
あなたの言葉を思い出して、その意味を考える(分かるはずがないんだけれど)
私の中を一杯にしてしまうあなたが本当は何を考えているのかを知りたい
上っ面の言葉なんてひとつもいらないのただほんとうの言葉が欲しい
欲しくて欲しくて気が狂いそう
あなたのいないこの部屋は広すぎて困ってしまう
私はあなたが嘘を吐かない代わりにほんとうのことも言わないことを知っている
だからほら、居てくれないと駄目なのよ
そうじゃなきゃ、放っておかれたらあなたが足りなくて不安に潰されて呼吸も出来なくていつかこの血も流れることを止めてしまう
そうして気付けば視界に入る指先が紫色に変色していて、やっぱりねって、そう思いながらあなたを待ち続ける私のことをいつか、その紫が覆ってしまうでしょう
そうなる前に、
ああそんな風に私が終わってしまう前に、
ひとつだけでいいの
ほんとうの言葉をひとつだけ頂戴
あなたがそれをくれるなら、私はどんなに傷ついたって哀しくなったって大丈夫
あなたがもしも心の底から 好きだよ と、そう言ってくれるなら
私の中を流れる温かな血液は喜び、指先は赤く、今日も
あなたを心底愛する私でいられるのです
END
1129(いい肉)