words(BOOK)

□雨のバス停
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ただ見ていることしか出来ない

溢れてくる想いを両手でおさえる

零れてしまわないように



ベタなラブソングに涙するくらい

ささやかな言葉に傷付いてしまうくらい

あたしはどこまでも弱くて、弱くて


きみを守る一番のひとでありたいと願うだけでいつもいつも

同じ場所を堂々巡り


涙なんか流さずにいたい。いつも笑っていたい。センチメンタルな気持ちを押し込めて強く、ただ本当にきみを想っていたい


そういう自分でありたいと

いつもいつも願うだけのあたし



バスは走る

きみの待つ街へとあたしを運んでいく

雨粒が窓を叩く

泣いているのは あたしだけじゃない





傘を差さずにバス停へ降りたあたしを

きみは笑って迎えてくれた

ああ きみのその笑顔がいつも、いつも


弱っちいあたしに勇気をくれる


その笑顔を守り抜きたいと願う

そのためならどんなことだって乗り越えていける

こんなあたしでも

強くなれるかもしれないんだ


肩を並べて歩く


きみのため  きみのおかげで










END
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