words(BOOK)

□Merry-go-round
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同じ場所を堂々巡り。進んでいるみたいに見えて、気付けばまた同じ場所にいる。ぐるぐる、ぐるぐる。ひとつも前に進まない可哀想な白馬のように。見える景色は何周したって変わらない。

ここから抜け出して、別の場所に行きたいと願っても、今いる場所の幸せにふと気付いて抜け出せなくなってしまう。そしてまた、同じ場所。


繰り返しの積み重ねには何の意味もないって、一周するたびに思い知る、くせに。


羽が生えたら、飛んでいくのに。

知らない場所に、いつだって飛んでいけるのに。



(本当は少し力を込めるだけでそれは背中を突き破り、大きく羽根を広げ、自由に羽ばたく事だって出来ることも、知ってる)


私をここに留めているのは金属の部品なんかじゃなくて、私自身なんだって


本当は知ってる

飛んでいける自分を、知ってる


だけど、どこに向かって私は飛んで行けばいいんだろう

それが分かんなくて、とりあえずのせーので飛び出すことが怖くて、動けなくて


でも、もう

そんなのって


うんざり



いつか今居る場所に焦がれても、戻れなくて泣いてしまっても、

思い切って、力を込めて、

明日、この場所から

私は










2008


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