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□とりあえず、愛して下さい。
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「ラビ」


ただいま。

笑って帰ってきた恋人を俺も笑顔で迎える。

走ってきたのか、少しだけ息が乱れていた。

一度部屋に寄ったあとらしく、任務帰りを思わせないほどアレンはきれいで。


「着替えてきたん?」

「え、あ…はい。」

「お疲れさん」


ぽんぽんと銀色を撫でれば照れ臭そうに笑う。

いつも直行してくるくせに着替えてからきたのは、それだけ大変な任務だったからだろう。

例えば血がべっとりついてたり、怪我をしていたり。

見る限り大怪我ではなさそうだからとりあえず気づかないふりをしておいた。


「ねぇラビ、休み中に外出ました?」

「や、出てねぇけど」

「街がね、ラビの色一色でしたよ」


オレンジの髪を指差しながらアレンが微笑む。

ああそうか、もうそんな時期かと呟くと、俺が気付いたことが嬉しかったのかアレンはいっそうその笑みを強くした。

もう10月も終わり、今日はアレンがめちゃくちゃ好きそうなハロウィンだ。


「これ、お土産です。」


差し出されたのはチョコレート。

前に俺がもらって、甘さが控えめで美味しいと喜んだ物と同じだった。

横でそのやりとりを見ていたアレンはわざわざ同じものを探してきてくれたらしい。

口元が緩んでしまうのを自覚しながら、オレンジと紫のリボンでラッピングされた紐をといて一口放り込む。

アレンにも渡そうとして、珍しく首を横に振られた。


「それじゃいたずら出来ないですから」


楽しそうなアレンに改めてハロウィンの行事を思い出す。

そういえば、と辺りを見渡して、やっぱりというかなんというか、お返しになりそうなものはみつけられなくて。


「じゃあ今日1日、アレンのいうこと聞くさ」

「ほんとに?何でもですか?」

「俺に叶えられる範囲で頼むな」


キラキラと目を輝かせるアレンに苦笑い。

どんな要求がくるのかと思いきや、両手を広げて微笑んだアレンはいい意味で俺の期待を裏切ってくれた。








とりあえず、して下さい。


(かなわねぇな、まったく。)









111030 up

一個下のに引き続き、久々のラビアレでした!
ちなみにアレンが一度部屋に戻ったのはファインダーか誰かに頼んどいたチョコを取りに行くためです^^
アレンのことめちゃくちゃ見てるのに、アレンのことだけ予測出来ないラビさんとか大好物です(´∀`*)笑


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