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□Two As One
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生きてまた、君と一緒にいられる幸せ。


Two as one.



―ティキたちとの戦いが終わって、ようやく平和が戻ってきた頃。


「アーレンー」

「…」

「…おーい。アレンさーん?」


プイ、とそっぽを向いたままのアレンは答えない。

病室に入って、見舞いに来てくれたみんなが帰ってからずっとこれだ。


「―アレン…?」


痛む体に鞭を打って立ち上がる。

隣のベッドに座っているアレンを覗き込むと、アレンはもの凄く不機嫌そうな表情で俺を見つめた。


「…何ですか」

「何怒ってんさ。俺何かした…?」

「自分に聞いてみたらどうですか」


またふいっと視線を反らされる。

一瞬だけ見れた銀灰色の瞳はゆらゆらと揺れていて。

包帯に滲む紅が、やけに目立って痛々しい。


「…ゴメン、な」


そっと、体のあちこちに出来た火傷に触れた。

なによりも、だれよりも大切なアレンに、俺がつけてしまった傷。


「俺…、もうちょっとでお前まで焼き殺しちまうとこだったさ」

「…」


ようやくアレンが俺を見た。

重い口を開く。


「―あの時、僕がどんな気持ちだったかわかりますか」


声が、瞳が。

小刻みに震えている。


「ラビがっ、…大切な人が目の前で死のうとしてるところを見た僕の気持ち…ラビにわかりますか…っ?」

「…!」

「あんなの酷いですよ…!ホントにラビ、死んじゃうんじゃないかって…、…どれだけ怖かったと、思っ…っ」

「…アレンっ」


アレンの悲痛な訴えに堪えきれず、今にも泣き出しそうなアレンを抱きしめた。


「…ホントにごめん。俺が馬鹿だったさぁ」

「…」

「俺の手でお前を殺すなんて堪えられないから…それなら俺が死んだ方がマシだって思ったんだけどさ、」


でも、やっぱり。


「―ホントは俺だって…、アレンとずっと一緒に居たい」

「ラビ…」

「―…ありがとな、アレン。助けてくれて」

「…っ、」


じわ、とアレンの瞳に涙が浮かぶ。

そのまま溢れ出した涙をそっと拭って抱きしめると、アレンもぎゅっと抱きしめ返してくれた。


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